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本居 小鈴 :
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本居 小鈴 :
不法侵入だったかもしれねェ……
小鈴の心中に、緊張感が迸る。
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本居 小鈴 :
寝室から寝息が聞こえた。
本当に人がいたらかなでさんからのお小言はもはや”小”では済まないのは明白だ。
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本居 小鈴 :
唯一の救いは、ひかりが寝室に向かったことだった──
ひかりのコミュニケーション能力に願いを託し。
どうにか状況が丸く収まるようにと、浴室に足を踏み入れた。
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GM :
昭和を思わせる古い造りの浴室。入浴が出来るだけの備え付けはあるようだ。
庭側に窓があり、外の景色を伺うことができる。
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本居 小鈴 :
「雰囲気あるなあ……」
なんとなく、ちょっと古い銭湯みたいだ。
この前読んだ近代文学の挿絵にも似ている。
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本居 小鈴 :
脚を滑らせないように気を付けながら、窓の向こうに目をやってみる。
ちょっとした黄昏気分だった。
[メイン3] GM : 斜め方向に庭の木が見えますね
[メイン3] 本居 小鈴 : 庭の木というのは、最初の木とは別物でしょうか?
[メイン3] GM : 最初の木ですね
[メイン3] 本居 小鈴 : はい
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本居 小鈴 :
あれは……シダレザクラってかなでさんが言ってた枯れ木か。
ここからでも見えるもんだね。
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本居 小鈴 :
家主さんは桜を見ながらお風呂に使っていたに違いない。
なんとも、風雅な生活だなあ……
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本居 小鈴 :
いっそ、私も今からお風呂にしてみようかしらん……
さっき地べたで寝ちゃってたし。
[メイン3] 本居 小鈴 : 思わず浴槽に目をやるが──
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本居 小鈴 :
「ううん」
首を一捻り。
[メイン3] 本居 小鈴 : 「古くて、お湯の沸かし方もよく分からないわ」
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本居 小鈴 :
「とりあえず水は蛇口捻れば出るわよね~っと」
考えなしに水を出しにかかる。
[メイン3] 本居 小鈴 : (というわけで蛇口を捻っていきます)
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GM :
水が出ませんね
機能していないことがわかります
[メイン3] 本居 小鈴 : 「水が蛇口捻っても出ないわ。水道代滞納してるの?」
[メイン3] 本居 小鈴 : 一応締め直しておいた。
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本居 小鈴 :
「せっかくの風流が台無しね……もう!」
かなで
勝手に風呂場に入ったとは思えない言い草だったが──目付け役がいないので好き勝手に言っている。
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本居 小鈴 :
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本居 小鈴 :
「……アレ?」
耳の奥に響くような、重い風切り音。
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本居 小鈴 :
出所は庭。
窓に目をやれば。
[メイン3] 本居 小鈴 : 「ええ…………」
[メイン3] 本居 小鈴 : 知り合いっぽい何かが、隕石になっていた──
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本居 小鈴 :
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本居 小鈴 :
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本居 小鈴 :
「こっわい」
庭から逃げるように、駆けてきて。
書斎の戸の前で荒い息をつく。
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本居 小鈴 :
「と、とりあえず姿だけでも隠さないと……」
ヨタヨタ書斎に入ろうとする。
[メイン3] 本居 小鈴 : ガチャッ。
[メイン3] GM : 小鈴が室内に入ると、【本棚】と【机】がある書き物部屋だとわかります。
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本居 小鈴 :
滑り込むように書斎に入り、背中で戸を閉める。
この状況より、かなでさんの方が恐ろしい……一番怖いのは人とはよく言ったものだ。
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本居 小鈴 :
「ふぃ~……」
目についた机に体重を預ける。
部屋に漂う、本独特の、どこか古い匂いは落ち着く。
[メイン3] 本居 小鈴 : そのまま、机を眺めてみる。
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GM :
椅子付きの大きな机。
<目星>または引き出しを開ける宣言をできますね
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本居 小鈴 :
引き出しは開けるものだ。
他人の机であろうとそうなのだ。
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本居 小鈴 :
目についたが不運。
シャッ。
[メイン3] GM : 小鈴は何かの書類を見つける。
[メイン3] 本居 小鈴 : 書類を手に取って読む。
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GM :
調査書類のようだ。
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−−−ザ−ラについての調査−− 19-0/5/23
地−−査の結果、−−な−物が庭を−−−−−−たこと−−−。
−を食−−−ことにより−死し−−−−られる。
−−−−体は不明。−−腐−−から、庭に侵−−たのは二ヶ月ほど前だと−−−れる。
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−の部分は劣化してしまって読めない。
[メイン3] 本居 小鈴 : 「?」
[メイン3] 本居 小鈴 : 「ゴルゴンゾーラ?」
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本居 小鈴 :
よめない。
腐ってるとか書いてあるし、多分ゴルゴンゾーラ。
二か月前のゴルゴンゾーラの書類?
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本居 小鈴 :
意味が分からないので、本棚を漁ることにした。
理解の及ばない奇書──この書類はそうなのだろう。
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GM :
色々な本が詰め込まれている。
<図書館>を振れますね
[メイン3] 本居 小鈴 : 児童成功させてくだしあ
[メイン3] GM : 小鈴は分厚い本を見つけます。
[メイン3] GM : 表紙に何も書かれていない本。古びてはいるが、この部屋にあるのは似つかわしくないように感じる。
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本居 小鈴 :
「……?」
読んでみます
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GM :
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クトーニアン
触腕と灰色がかった体を持つ巨大な生き物。
体躯はネバネバとしたもので覆われており、詠唱するような何かの音が絶えず付いて回る。
岩や地面の中に住み、バターを溶かすようにいとも容易く岩を掘る。
極高温にも耐え、地震を起こす力を持つ。
普段は地表の奥深くにいるが、はぐれ者は人の住む地域まで寄ってくることもある。
もし地面を掘り返しクトーニアンを怒らせるものがいれば、その触腕で襲いかかるだろう。
しかしかの生物は水分に弱く、身体が水に浸った場合には溶けて無くなってしまう。
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GM :
リアルな挿絵とともに記述された恐ろしい内容。
その文章だけでも、小鈴は身震いを起こすことだろう。SANc(1/1d5)
[メイン3] 本居 小鈴 : ccb<=29 (1D100<=29) > 61 > 失敗
[メイン3] 本居 小鈴 : 1d5 (1D5) > 2
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本居 小鈴 :
「……ひゃっ……!」
文章が頭で、一つの恐怖として結びついた。
思わず、本を取り落としかける。
[メイン3] 本居 小鈴 : 「うう……ホラァならホラァと言ってよね!これだからっ!」
[メイン3] 本居 小鈴 : 「装丁まで”それらしく”しなくてもいいのに……!」
[メイン3] 本居 小鈴 : 無地の本は、確かに恐怖創作としてはいいけども!
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本居 小鈴 :
「……う~ん、ゴルゴンゾーラとクトーニアン……」
これでかなでさんに許してもらえるかなあ!?いけるかなあ!?
[メイン3] 本居 小鈴 : て、手ぶらよりは……
[メイン3] 本居 小鈴 : 机から書類を引き出して、本を片手に。
[メイン3] 本居 小鈴 : ぎこちない足取りで書斎を出るのだった。
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本居 小鈴 :
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本居 小鈴 :
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本居 小鈴 :
情報をまとめると、今日は……
そうだ、思い出した。
[メイン3] 本居 小鈴 : 二か月前のゴルゴンゾーラの日……!!
[メイン3] 本居 小鈴 : とか何とか思いながら浴室に足を踏み入れた。
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本居 小鈴 :
「桜かあ。ひかりはああ言ってたけど、まだシーズンじゃないよね。……水やりでもする?」
ちらっと、浴室の風呂桶を見る。
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本居 小鈴 :
「でも水出ないんだっけ」
蛇口くいっ
[メイン3] GM : 先ほど確認したときとは違い、勢いよく水が出ますね。
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本居 小鈴 :
「うわあああああああああああああああああ」
びっちゃああああああああああああ
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本居 小鈴 :
出ないと思ってたから捻りすぎた。
すごいかかった。
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本居 小鈴 :
「っぷ……まあ水が出るならいいわ……」
口を拭いて、風呂桶に水を溜める。
[メイン3] 本居 小鈴 : 「まあ、いっぱい水やれば桜の花くらい咲くでしょー」
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本居 小鈴 :
根腐れという概念は、ない。
桶一杯の水を抱えて、ふらつきながら浴室を後にした。
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本居 小鈴 :
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立華 かなで :
浴室を後にし廊下に出た小鈴を見かける
自身は倉庫から出た直後、ホースとシャベルを持っている
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本居 小鈴 :
ひえっ……。
びしょ濡れで風呂桶を抱えた状態だ。
[メイン3] 立華 かなで : 「………何をしてるのかしら」
[メイン3] 立華 かなで : 「いや、何をしたのかしら」
[メイン3] 本居 小鈴 : 「桜に、水を、あげようと……」
[メイン3] 本居 小鈴 : こわい。
[メイン3] 本居 小鈴 : 「濡れてるのは、まあ……事故ですかね……」
[メイン3] 立華 かなで : 「………」
[メイン3] 立華 かなで : 「風邪引かないように」
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本居 小鈴 :
シャベルが怖いよシャベルが。
凶器だもの。
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本居 小鈴 :
「……えっ」
「あっ」
「はい」
優しい言葉が飛んできてびっくりした。
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立華 かなで :
「これ」
そのまま、ホースを手渡す
[メイン3] 本居 小鈴 : ぐでえんしたホースを受け取る。
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本居 小鈴 :
「あ。えっと……ありがとうございます」
水やりには役立つだろう。
”これ”の2文字だけだが、たぶんそういうことなのだろう。
[メイン3] 立華 かなで : 「水やりするにしても、こっちの方がいい」
[メイン3] 本居 小鈴 : そういうことだった……。
[メイン3]
立華 かなで :
そのまま、シャベルを持ったまま玄関の方へ
……何かが風を切る音を奏でながら
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本居 小鈴 :
優しい人なのよね、やっぱ。
変なことさえしなければ……
[メイン3] 本居 小鈴 : シャベルと風切り音には目を瞑る。
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立華 かなで :
最後に、一度立ち止まり
振り向いて
[メイン3] 立華 かなで : 「あまり1人で好き勝手しないように。もう2人の方にも言えるけど」
[メイン3] 本居 小鈴 : 「うう。わかりました……」
[メイン3]
立華 かなで :
その際の表情は
僅かにだったが
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立華 かなで :
不安そうに、小鈴の方を向いていた
直ぐに振り向き直して、庭に向かったが
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本居 小鈴 :
「…………」
浴室に戻った。
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本居 小鈴 :
……浴室の中から、ばっしゃあんと水をひっくり返したような音がした。
ちょっとだけ頭を冷やしたかったのだ。
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本居 小鈴 :